YOGA.jpトップ > 笑い呼吸法とは
●笑い呼吸法とは
●ヨガが育んだ呼吸法の奥義
●笑いは最高峰の呼吸法
●笑い呼吸法の行い方(動画)
├笑いバティ呼吸法
├はひふへほ笑い呼吸法
├安堵熱意の笑い呼吸法
├歓喜の笑い呼吸法
├熱意の笑い呼吸法
└笑い完全呼吸法
●笑い瞑想法の行い方(動画)
├微笑瞑想
├観笑瞑想
├参笑瞑想
└燃笑瞑想
笑い呼吸法とは
笑い呼吸法とは、笑いをモチーフ(モデル)にした呼吸法のことです。
笑いは昔から、お酒と同じように「百薬の長」と呼ばれ、心と身体の様々な不調を解消し、様々な良い効果を心身にもたらすと考えられてきました。
また「笑う門には福来る」ということわざのように、笑っていると周囲とのコミュニケーションや関係性が改善し、自然な形で幸運がもたらされるとも考えられてきました。
※参考『世界中から集めた笑い効果(エビデンス)』
このように、誰もが笑いが人生のクオリティを高めてくれるということを知りながらも、子供が一日に400回も笑顔を見せるのに対して、大人はせいぜい15回という研究結果があるように、実際にはあまり笑えていないのが現実なのかも知れません。
とは言っても、今日から毎日しっかり笑おうと思っても、大笑いするほど面白いことは毎日起きないし、ネタ元を探すのもそう簡単なことではありません。
ましてや気分のアップダウンを考えると、毎日心身をリセットするほどの大笑いするのはなかなか難しいものです。
そこで、笑いが持つ呼吸パターンを丁寧に解析して、それを3つのパートや機能に分け、どんな時もネタに頼らず大笑いできるよう、呼吸法として体系化したものが「笑い呼吸法」です。
ヨガが育んだ呼吸法の奥義
ヨガやその根幹にある瞑想を実践している方は、口を揃えてその習得のカギが呼吸法にあると答えます。
心を整えるカギが呼吸の仕方にあり、理想的な呼吸を行うためにこそ数々のヨガのポーズが編み出され、逆にそのポーズを深めるカギもまた呼吸の仕方にあるという事なのです。
そんなヨガの呼吸法を代表する「完全呼吸法 (Dirgha Pranayama)」を深く考察し、長年の実践を積み重ねていくと、呼吸を司る3つのパートが、それぞれ心と身体に大きな役割/意味/機能を持っていることに気付きます。
●肩エリア
主に鎖骨を動かすことで行われる肩呼吸によって、息を深く吸い込むことが可能になり、その肩を緩めて吐くことによって、安堵感を育み、心身を深くリラックスさせます。
●胸エリア
主に肋骨を動かすことで行われる胸式呼吸によって、短時間で空気の大きな入れ替えが可能になり、解放感や充足感を育んで、心身を深くリフレッシュさせることができます。
●腹エリア
主に横隔膜や腹筋群を動かすことで行われる腹式呼吸によって、腹圧を高めて内臓のうっ血を解消し、お腹の活力と脳の覚醒を引き出し、心身にアクティブな状態をもたらします。
※参考書籍『自分史上最高に整う! 魔法の「笑い呼吸法」レッスン』(綿本彰/ナツメ社)
笑いは最高峰の呼吸法
ヨガの呼吸法の中で最高峰と考えられている、「完全呼吸法」を一瞬でその完成形へと導き、3つの効果をパーフェクトに引き出してくれるのが「笑い」です。
日常生活の中で、様々な笑いが起きる瞬間を思い出してみてください。
張り詰めた会議の時間、誰かがタイミングよく可愛いおならをして、緊張が一瞬で解除されて肩の力が抜ける笑い。
劣勢の試合で不満続きの場面で、奇跡の逆転勝利を収め、抑圧された心が一瞬で解放され、深く満たされる笑い。
眠くて退屈な授業で珍しく先生のジョークが刺さり、頭がシャキっとして活動状態が取り戻される笑い。
何年も完全呼吸法を練習して手にすることができる、ヨガや瞑想の深化には不可欠な「安堵」「歓喜」「熱意」の3つの要素を、笑いは一瞬で同時に引き起こしてくれるのです。
しかも、正しく実践できているか分かりづらい呼吸法ではなく、生理現象として本能的に生まれもった笑いは、より正確に私たちの心身を、そのゴールへと導いてくれるのです。
笑い呼吸法の行い方
笑い呼吸法は、どこでもいつでも、何の道具も要らずに始めることができます。
ここでは基本となる2つのウォームアップと、4つの笑い呼吸法をご紹介します。
笑いバティ呼吸法
笑うことで、なぜ呼吸法のクオリティが一気に深まるのか。ヨガを代表する「カパラバティ呼吸法」を使ってその違いを実感する、笑い呼吸法定番のウォームアップです。
はひふへほ笑い呼吸法
本格的な笑い呼吸法に入る、最高のウォームアップとなるのが「はひふへほ笑い呼吸法」です。 表情筋をフルに使って「はひふへほ」を発声することで、笑いを引き起こしやすい心身の状態を作ります。
安堵の笑い呼吸法
我慢のピークでトイレに間に合った時、つまづきかけて見事に体制を立て直した時、大切な人の無事を確認できた時など、危機的な状況から脱して、ほっとした時に湧き起こる「安堵の笑い」を修得するための呼吸法。
人体最大の急所である「喉」や「首」をゆるめるような、軽快な喉笑いを練習します。
歓喜の笑い呼吸法
強い願望が叶ったり、推しのチームが大切な試合で逆転勝利したり、この世のものとは思えない美しい景色と出会ったりなど、想定外の充足感が得られた時に湧き起こる「歓喜の笑い」を修得するための呼吸法。
解放や充足と関係の深い「胸」のツッカエを取るような、爽快な胸笑いを練習します。
熱意の笑い呼吸法
大切に仕上げた作品を破壊してしまった時、終電に乗り遅れて途方に暮れた時、カップ焼きそばの麺を豪快に台所にぶちまけた時など、もう笑って開き直るしかない状況で湧き起こる「熱意の笑い」を修得するための呼吸法。
意欲や覚醒と関係の深い「腹」を引き締めるような、力強い腹笑いを練習します。
笑い完全呼吸法
上記で紹介した「安堵の感覚」「歓喜の感覚」「熱意の感覚」を、順に連続して練習するのが「笑い完全呼吸法」です。
ヨガのテクニックの中でも、最高峰の呼吸法と称される呼吸法と同じように、腹式呼吸、胸式呼吸、肩呼吸を順に行い、その効果を笑いのトーンで劇的に強化します。
笑い呼吸法の効果を劇的に高める「笑い瞑想法」の極意
笑い呼吸法の直後、または最中に「瞑想」を組み込むことで、笑い呼吸法の効果を劇的に高めることができます。
瞑想とは、心の動と静のバランスを究極に深め、あらゆる変化や感覚をありのまま見守るためのテクニック、またはそれが極まった状態を言います。
ここでは、笑い呼吸法との相性が抜群で、笑い呼吸法の効果を劇的に高めることができる瞑想法を、4つご紹介したいと思います。
微笑瞑想
笑い呼吸法や作り笑い、自然な笑いの直後に、表情筋やお腹まわりの緊張など、笑いの余韻を微笑みのトーンで見守る瞑想法です。笑った時間の2倍程度の時間を取って、丁寧に笑いの余韻を味わっていきましょう。
観笑瞑想
笑い呼吸法や作り笑い、自然な笑いの最中に、表情筋やお腹まわりの緊張など、笑いの余韻を微笑みのトーンで見守る瞑想法です。作り笑いを自然な笑いへと変えるカギとなる呼吸法です。
参笑瞑想
安堵、歓喜、熱意の笑い呼吸法の3種の感覚を、笑わずして思い出すことで、笑い呼吸法を練習している時と同じ効果を引き出す瞑想法です。笑い完全呼吸法の練習直後に行うと効果的です。
燃笑瞑想
3種の笑い呼吸法や作り笑いを、苦しくても必死になるまで行うことで深い感情発散(カタルシス)を引き起こし、心と身体を深くリセットする動的瞑想法です。妊婦さんや心臓や血圧に問題がある方は控え、不調を感じたらすぐに中止しましょう。
笑い呼吸法を学ぶ方法
笑い呼吸法をもっと知りたい方、心からの笑顔を取り戻したい方、日常生活を笑顔にしたい方は、ぜひ下記の書籍をお読みください。笑い呼吸法の考案者である綿本彰が書き下ろしで、マンガなどを交えて分かりやすく笑い呼吸法についてまとめられています。
▼『自分史上最高に整う! 魔法の「笑い呼吸法」レッスン』(綿本彰/ナツメ社)また、本格的に笑い呼吸法を学んで講座を開講したり、ヨガや瞑想のクラスに盛り込んだり、大切な人に伝えたい方は指導者養成講座をご検討ください。
▼笑い呼吸法指導者養成講座 ベーシックコース